大宮駅で見つかった私のリュック。
Amazonの購入履歴からカバンの写真を見せ、中身の40万円やノートPCの特徴を伝えると、無事に本人確認が取れた。
それにしても、日本という国はつくづく特別な場所だ。私が25年ほど住んでいたコスタリカなら、あのリュックは発車後3分で異次元へ消え去り、二度と戻ってくることはない。あの大自然は素晴らしいが、人間社会はそれなりというか、かなり泥棒が多い。改めて、この国の治安の良さを心からありがたいと思った。
「今から大宮まで取りに来られますか?」と駅員に聞かれたが、これから世界一周のフライトが待っている。わざわざ戻る選択肢などない。免許証の住所に郵送してもらう手続きを済ませた。
駅員さん曰く、「バッグが妙に薄汚くて不気味だったので、誰も触りたがらなかったのが勝因かもしれません」とのこと。それは……まあ、否定できない事実である。

確かに、こんなゴム製(防水)の薄汚れたバックが座席にポツンとのっていたら不気味。
結局、手元に残ったのはパスポート、財布、スマホ、ワイヤレスイヤホンだけ。だが、幸いにも着替えや湯沸かし器、インスタント食品などは、前もって別送で成田へ送っていた。一眼レフカメラはスマホで代用できるし、PC作業は信頼できるスタッフに全振りすればいい。金がなければカードで引き出せばいい。
そう視点を切り替えれば、ただの「荷物紛失事件」も「究極の身軽な旅」に変わる。
というわけで、小さなリュックと小さなバッグだけを携えて。いざ、行ってきます。