2026年7月3日
「大宮でも荷物は見つかりませんでした」と言われた瞬間、私は完全に諦めた。
こういう時の私は、とにかく損切りが早い。
私の人生の主軸は「頑張らない、無理しない、諦める」である。まあ人生、何とかなるだろう。最悪、命までは取られない。死ななかったんだからオールOK。そういう「諦め力」こそ、人生を楽にする一番の武器なのだ。
幸いパスポートもカードもある。海外のATMで現地通貨を下ろせば、身一つでも南米やアフリカの過酷な旅くらい何とかなる。そう言い聞かせ、私は一切の無理な捜索を打ち切った。

西日暮里からスカイライナーに乗り、開き直ってお気楽に成田空港へ向かう。
成田に到着後、そろそろあの電車が終点に着く頃合いを見計らい、空港内のJR窓口へ立ち寄った。一応、最後の生存確認である。
すると、駅員が驚くべき言葉を口にした。
「……あ、荷物、ありましたよ。大宮駅に保管されています」
どうやら大宮で発見されたが、私が確認した時と、発見の連絡に時差があったらしい。どちらにしても、無事に見つかったのは嬉しい限りである。
(後編へ続く)